
空港と市内をつなぐナムキーカイギア通りには精進料理がたくさん



ナムキーカイギア通り(Nam Kỳ Khởi Nghĩa)は空港と市内をつなぐ巨大な道路です。
空港につながる大通りはホーチミンの街の顔。
通りに面した建物はどれも洗練されていて、自動車のショールームや銀行、高級中華レストラン、古くからあるお寺などがあります。
お寺がたくさんあるので、きっとその影響でしょう。
ナムキーカイギア通りには精進料理の食堂が多いです。
伝統的なベトナム精進料理を提供する安食堂がたくさんあるのです。
実はベトナムの精進料理はとてもレベルが高いことで有名です。
食堂のメニューには湯葉で作った偽肉、偽魚、豆腐料理、そして驚くことに「偽豚の角煮」まで常備してあります。
これらの精進料理は肉や魚の様々な食感や風味を上手に再現しており、非常に美味。
日常的に通いたくなるくらい美味しいです。
しかも精進料理はボランティア的な思想で運営されていることが多いため、値段が非常に安いことも特徴の1つです。
一食10000ドン(50円)で食べられる。
それくらい安い店もざらにあります。
野菜をたっぷり食べれて50円。
健康に良いことうけあいなので、私はよく精進料理を食べに行きます。
さて。そんなナムキーカイギア通りを進んでいくと、288番の小路地につきます。
この小道を入ったところにあるのがフォージャウ(Phở Dậu)です。
ベトナム精進料理はバラエティ豊か



路地裏にありながら存在感抜群のフォージャウ


フォージャウ(Phở Dậu)は大通りから一本入った小道の奥まったところで、ひっそりと営業をしています。
しかし入るべき小道を間違えることはありません。
なぜなら、信じられないくらいのお客さんでごった返す道の入り口には、ものすごい「名店のオーラ」が漂っているからです。
もし道に迷ったら「フォーの美味しい店はどこにありますか?」と聞いてみましょう。
近くまでたどり着けていれば絶対に通じます。
Gần đây có quán Phở nào nổi tiếng không?
(フォーがおいしくて有名なお店が近くにありますか?)
このお店は朝8時にオープンし、12時過ぎには売り切ってしまいます。
つまり半日営業のお店です。
朝しか食べれない極上のフォーを求めてくるお客さんで小道はいつも大盛況。
販売開始とともに道を占拠するテーブルがズラーっと敷き詰められ、次々と入ってくるお客さんを店員が奥へ奥へと案内しています。
12時過ぎに閉店するまでの様相はまさに戦場。
「この小道はフォージャウ通りである」と言ってもおかしくないくらいの賑わいです。
フォージャウのメニューの選び方

ベトナム人のレビューでも「ものすごく値段が高い」といわれているだけあって確かに高いです。
フォー1杯の値段は小サイズで90000VND(450円)〜。
なんとフォーバックハイやフォー24の2倍以上です。
注文自体のやり方はとてもシンプル。
Tô Nhỏ(小サイズ)で90000VND(450円)
Tô Lớn(大サイズ)で100000VND(500円)
この2種類から選びます。
普通、大人は大サイズを頼みます。
肉は何種類乗せても同じ値段なので、全部乗せがいいでしょう。
Cho tôi tô Lớn Đủ Thứ!
大サイズの肉全部のせください
ホーチミンで一番おいしいマイルド牛骨スープ
フォーを注文すると早速スライスされた玉ねぎの小皿が提供されました。
フォージャウ(Phở Dậu)名物の「玉ねぎトッピング」です。

実はこの玉ねぎには正式な食べ方があります。
その食べ方で食べると、驚くほど美味しい玉ねぎに進化します。
お店のメニューにのっている食べ方をご紹介します。

つまり玉ねぎの小皿に唐辛子ソース、魚醤、酢、砂糖を適量入れてまぜてね。
そして肉を食べる時に一緒に食べてね。
ということです。
私はすべてほんの少量づつ入れていきます。
玉ねぎが赤色にほんのり色づく。
その程度が目安です。


、、、
コトっ
フォーが到着しました。

ふむ。
色味や雰囲気からしてホーチミン式のフォーとは違う雰囲気をもっています。
一目見た時点で感じる。なにか不思議なフィーリング。
ハノイっぽさがあります。
まずはスープを一口。
ズズっ。

、、、
、、
、
うまい!
これはまさしく牛骨の味です。
牛の個性をしっかりを表現した牛骨スープ。
思わず牛に感謝したくなる。
そんな気持ちになってしまうくらいに「牛」というものがギュッと詰まったスープです。
ホーチミン式のフォーを食べていて、こんな感覚をもつことは、まずありません。
さすがはハノイ風の牛骨スープ。
牛感がハンパじゃないのです。
これはうまい、、、、
うんうん。と頷きながら箸を進めます。
本当に美味しいものを食べている時に出る私のクセです。
パクパク。
もぐもぐ。
、、、
、、
、
うーん。。。
思わずうなってしまいます。
お世辞ではありません。
ホーチミンで今まで食べた全てのフォーで1番美味しいです。
ここまで元のスープが美味しいとライムを絞ったり、唐辛子を入れて味変することにも躊躇してしまいます。
元の味があまりにも完成され過ぎているのです。
この完璧に調和のとれた味を崩すことに、罪悪感を感じてしまいます。
1/4ほど食べたあたりでライムを少しだけ絞ります。
本当に少しだけです。
酸っぱくし過ぎてしまうと取り返しがつきません。
そんな失礼なこと、このレベルのスープに対して、できるわけがありません。
そしてハノイ式辛味ソースをちょびっとだけ入れます。
ちょびっとです。
そして
玉ねぎを投入。
調和させます。
まぜまぜ。

フォーをすすります。

ズズ、、、
、、、
、、
、
味付けされた玉ねぎとフォーの麺が絡み合って美味しい。
なかなか今までに食べたことがない新食感です。
玉ねぎとフォーがこんなに合うというのは新発見。
こんなに美味しいのに、どうして他のフォー屋は真似しないんだろう。
そんな疑問が浮かぶくらい美味しいです。
、、、
続いて牛肉を食べます。


うん。これもハノイ風だなぁ。
牛肉が細いのです。
ハノイ式のフォーは牛肉を薄切りにします。
これ以上薄切りにできないだろう、、、というくらいに薄〜く切ります。
この薄切り肉は、ホーチミンの分厚い牛肉を食べ慣れているとケチ臭く見えてしまいます。
ペラッペラだからです。
でもそれは間違っています。
ハノイにはハノイの流儀があるのです。
この薄切り牛肉は薄さゆえの独特な食感があり、非常に美味です。
ヒラヒラの食感を持つフォーの麺。
そこに絶妙に絡まるように存在している薄切り肉。
もしかしたら薄切り牛肉はフォーのヒラヒラでツルッとした喉越しと調和するように作られているのかもしれません。
スープの牛骨感もあいまって最高の調和。一体感を生み出しています。
実は私はハノイでもフォーの食べ歩きをしたことがあるのですが、正直ハノイでもここまで美味しいフォーに出会ったことはありません。
ハノイはフォーの本場ですから、当然名店も多いです。
でもフォージャウのようにマイルド系のスープを極めた店はないのです。
どちらかというと、フォーフージャーのようにコッテリ系の牛骨の名店が多い気がします。
、、、
、、
、
ゴクっ。

ふー。
牛骨スープを一滴残らず飲み干して、手を合わせます。
ごちそうさま。
こんなに美味いスープに会えて本当に幸せです。
ここのフォーは至極。
私がホーチミンで1番好きなフォーです。
この店の玉ねぎ。実は最初は苦手だったんだけど、何度も通ううちに好きになっちゃいました。
不思議な中毒性があります。肉と食べるとマジで美味しいです。